そのの意味とは?使い方・例文・類語との違いをわかりやすく解説

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そのの意味

「その」とは「話し手と聞き手の間で特定できる人・物・事柄を指し、後ろの名詞を限定する言葉」のことです。

「その本」「その人」「その問題」のように、名詞の前に置いて使います。聞き手の近くにあるものを指す場合と、すでに話題に出た内容を受けて指す場合があります。

また、「その、少し相談があるのですが」のように、言いにくいことを切り出す前のためらいを表す言葉として使われることもあります。この場合は、物や事柄を指す用法とは少し異なります。

そのの漢字表記

指示語としての「その」は、現代では通常ひらがなで書きます。漢字では「其の」と書くことがありますが、古風・文語的な印象があり、日常文やビジネス文書ではあまり一般的ではありません。

表記 意味・用法 注意点
其の 「それに関する」「今話題の」という意味の指示語。 現代では硬く古風な印象があるため、通常は「その」とひらがなで書く。
「庭」「草木を植えた場所」などを表す名詞。 指示語の「その」とは別の語。「その本」を「園本」とは書かない。
庭園や、草木のある場所を表す語。地名・施設名などに使われることがある。 これも指示語ではなく、同じ読みの別語。

そのをわかりやすく言うと

「その」は、わかりやすく言うと「いま話しているその対象」「あなたの近くにあるそれ」「前に出てきたそのこと」を名詞につなげる言葉です。

  • その本=あなたの近くにある本、または今話題にしている本
  • その人=前に話に出た人、または聞き手が指している人
  • その理由=直前に述べた内容に関係する理由
  • その場=話題になっている場所・状況

文章では、前の文の内容を受けて「そのため」「その結果」「その点」のように使うことが多く、話の流れをなめらかにつなぐ役割もあります。

そのの使い方

「その」は基本的に、後ろに名詞を置いて使います。文法上は連体詞と呼ばれ、「その+名詞」の形で対象を限定します。

名詞の前に置いて対象を示す

最も基本的な使い方は、「その資料」「その店」「その考え」のように、どれを指しているのかを明らかにする形です。聞き手の近くにあるものや、すでに会話に出たものを指します。

前の内容を受けて文章をつなぐ

文章では、直前の内容を受けて「そのため」「その結果」「その後」などの形で使われます。前に述べた事柄とのつながりを示すため、説明文やビジネス文書でもよく使われます。

表現 意味
そのため 前の内容が原因・理由であることを示す 雨が強い。そのため、試合は延期された。
その後 その出来事のあと 会議が終わった。その後、資料を修正した。
その際 そのとき 入室時は受付にお越しください。その際、身分証を提示してください。
その点 いま述べた点・問題 その点については、次回詳しく説明します。
そのまま 今の状態を変えずに そのままお待ちください。

ためらいを表す「その」

会話では、「その、少し言いにくいのですが」のように、言葉を探すときや、相手に配慮してやわらかく切り出すときにも使われます。この用法では後ろに名詞が来ないこともありますが、書き言葉では多用しないほうが自然です。

そのを使った例文

  • その本を読み終わったら、私にも貸してください。
    聞き手の近くにある本、または聞き手が持っている本を指しています。
  • 駅前で道を教えてくれた人がいた。その人はとても親切だった。
    前の文に出てきた「人」を受けて、同じ人物を指しています。
  • この計画には予算面の課題がある。その点を次回の会議で確認したい。
    直前に述べた問題点を「その点」で受けています。仕事の文章でも使いやすい表現です。
  • 雨が強くなった。そのため、イベントは屋内で行われた。
    前の内容を理由として受け、結果につなげる使い方です。
  • その、少し相談したいことがあるのですが。
    言い出しにくい内容を切り出す前の、ためらいを表しています。
  • 書類は確認しますので、そのまま机の上に置いてください。
    今の状態を変えずに置く、という意味で「そのまま」を使っています。
  • その場で返事をせず、いったん持ち帰って考えた。
    話題になっている場所や状況を指しています。
  • その言い方だと、相手に冷たく聞こえるかもしれません。
    直前に聞いた言い方を指して、印象や注意点を述べています。

そのと「それ」の違い

「その」と混同しやすい言葉に「それ」があります。どちらも「そ」の指示語ですが、使い方が異なります。「その」は名詞の前につく言葉で、「それ」は単独で人・物・事柄を指す言葉です。

言葉 使い方
その 後ろに名詞を置く その資料を見せてください。
それ 単独で対象を指す それを見せてください。

「そのを見せてください」は不自然です。この場合は「それを見せてください」または「その資料を見せてください」のように言います。

そのの類語・言い換え表現

「その」は、場面によって「この」「あの」「前述の」「当該」などに言い換えられます。ただし、指す距離感や文章の硬さが変わるため、完全に同じ意味になるとは限りません。

表現 ニュアンス 違い
この 話し手に近いもの、今まさに示しているもの 「その」より話し手側に近い印象がある。
あの 話し手・聞き手の両方から離れたもの、共通の記憶にあるもの 「その」より距離が遠い、または思い出して指す感じが強い。
前述の 前に述べた内容を指す硬めの表現 文章・説明文で使いやすいが、会話ではやや硬い。
当該 その事柄に直接関係する、該当する 公的文書や契約書などで使われる硬い言い方。
例の 話し手と聞き手がすでに知っているもの 少しくだけた言い方で、「いつもの」「あの件の」という含みが出る。

なお、「その」には明確な対義語はありません。ただし、指示語の体系としては、話し手側の「この」、聞き手側・前述内容の「その」、離れた対象の「あの」が対比されます。

そのを使うときの注意点

  • 「その」だけで名詞の代わりにしない。
    指示語としての「その」は、基本的に「その資料」「その件」のように名詞を伴います。「そのをください」は不自然で、「それをください」または「その資料をください」とします。
  • 何を指しているのかを明確にする。
    文章で「その」を続けて使うと、どの内容を受けているのか分かりにくくなることがあります。必要に応じて「その問題」「その理由」のように名詞を補うと明確です。
  • 「この」「あの」との距離感を意識する。
    自分の近くにあるものは「この」、相手の近くや前に出た内容は「その」、双方から離れたものや共通の記憶は「あの」が自然です。
  • 文章では連発を避ける。
    「そのため」「その結果」「その点」が続くと単調になります。「このため」「結果として」「前述の点」などに言い換えると読みやすくなる場合があります。
  • ためらいの「その」は使いすぎない。
    会話では自然ですが、何度も使うと自信がない印象や、話が進まない印象を与えることがあります。改まった文章では基本的に使いません。

まとめ

「その」は、聞き手の近くにあるものや、すでに話題に出た人・物・事柄を指し、後ろの名詞を限定する言葉です。「その本」「その理由」「そのため」のように、日常会話から文章まで広く使われます。

「それ」は単独で対象を指す言葉であり、「その」は名詞を伴う点が大きな違いです。また、「この」「あの」とは、話し手・聞き手からの距離感や、話題との関係によって使い分けます。

現代では指示語の「その」はひらがなで書くのが一般的です。「其の」は古風な表記で、「園」「苑」は同じ読みでも別の意味の語です。

関連語

  • これ
  • それ
  • あれ
  • この
  • あの
  • どの
  • そのため
  • その後
  • その際
  • 当該

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