とりわけの意味とは?使い方・例文・類語との違いをわかりやすく解説

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とりわけの意味

「とりわけ」とは「いくつかある物事の中で、特に目立つものや重要なものを強調して示す言葉」のことです。

「とりわけ」は、副詞として使われ、「特に」「中でも」「ことに」と近い意味を表します。たとえば「果物は好きだが、とりわけ桃が好き」と言うと、果物全般が好きなうえで、その中でも桃が特に好きだという意味になります。

単に「とても」と程度の強さだけを表すのではなく、ほかのものと比べたときに、ある一つが際立っていることを示すのが特徴です。文章では、説明や評価の中で一部を取り上げて強調したいときによく使われます。

とりわけの漢字表記

「とりわけ」は、漢字では「取り分け」と書くことがあります。また、辞書や古い表記では「取分け」と書かれる場合もあります。ただし、現代の文章で副詞として使う場合は、ひらがなの「とりわけ」と書くのが一般的で読みやすい表記です。

「取り分け」は、「取る」と「分ける」から成る語で、もとは「取り出して分ける」という意味と関係があります。料理を小皿に分ける意味では「料理を取り分ける」「取り分け用の皿」のように漢字で書くことが自然です。一方、「とりわけ重要だ」「とりわけ美しい」のように「特に」の意味で使う場合は、ひらがな表記が多く見られます。

表記 主な使い方 補足
とりわけ 「特に」「中でも」の意味 現代の文章で最も使いやすい表記です。
取り分け 副詞の表記、または料理などを分ける意味 「料理の取り分け」のような名詞的な用法では自然です。
取分け 古い表記・辞書的な表記 一般的な文章ではあまり用いられません。

とりわけをわかりやすく言うと

「とりわけ」をわかりやすく言うと、「いろいろある中で、これが特に」という意味です。複数のものや状況を前提にして、その中から一つを目立たせるときに使います。

  • 「多くの作品の中で、とりわけこの作品が好き」=多くの作品の中でも、この作品が特に好き
  • 「課題はいくつかあるが、とりわけ費用の問題が大きい」=課題の中でも、費用の問題が特に重要
  • 「今年は暑い日が多く、とりわけ八月が厳しかった」=暑い日が多い中でも、八月が特に暑かった

このように、「とりわけ」は比較の中で目立つものを示す言葉です。「とても暑い」のように単純に程度を強めるだけでなく、「ほかと比べて特に暑い」という含みがあります。

とりわけの使い方

「とりわけ」は、日常会話でも使えますが、やや落ち着いた印象があり、説明文・評論文・ビジネス文書などの文章でよく使われます。話し言葉では「特に」「中でも」のほうが自然に感じられる場面もあります。

文中で一部を強調する

「Aは全体としてよいが、とりわけBがよい」のように、全体の中から一部分を取り上げて強調します。「全体」と「その中で目立つもの」の関係をはっきりさせると、自然な文になります。

文章で使うときのニュアンス

「とりわけ」は、少し改まった印象を与えます。「とりわけ重要である」「とりわけ注目される」のように書くと、説明に客観性や文章らしい硬さが加わります。そのため、レポート、案内文、解説文、ビジネス上の報告などにもなじみます。

よく使われる形

  • とりわけ重要だ
  • とりわけ目立つ
  • とりわけ印象に残る
  • とりわけ注目される
  • とりわけ問題となる
  • 中でもとりわけ〜

「中でもとりわけ」は意味が近い語を重ねた表現ですが、実際の文章では強調を強める言い方として使われます。ただし、多用するとくどく感じられるため、必要な場面に限るとよいでしょう。

とりわけを使った例文

「とりわけ」は、全体の中で特に際立つものを示すときに使います。以下の例文で、文脈ごとの使い方を確認できます。

  • この町は四季の景色が美しいが、とりわけ秋の紅葉は見事だ。
    四季の景色全体を評価したうえで、秋の紅葉を特に強調しています。
  • 彼女の説明はどれもわかりやすいが、とりわけ図を使った説明が印象に残った。
    複数の説明の中で、図を使った説明が特に目立ったことを表しています。
  • 新商品の中では、とりわけ軽量モデルへの問い合わせが多い。
    ビジネスの場面で、複数の商品を比較しながら注目度の高いものを示しています。
  • 子どもの頃から果物が好きで、とりわけ桃には目がなかった。
    果物全体が好きな中でも、桃への好みが特に強いことを表しています。
  • 今年の夏は暑い日が多かったが、八月の後半はとりわけ厳しかった。
    暑い期間の中でも、八月後半が特に強い印象だったことを示しています。
  • 会議では費用の問題、とりわけ人件費の増加について意見が集まった。
    大きな問題の中から、さらに焦点となる部分を取り上げています。
  • 静かな森の中で、鳥の声だけがとりわけ澄んで聞こえた。
    周囲の静けさと比べて、鳥の声が特に際立って感じられる様子を表しています。
  • 初めての土地では、言葉の違いがとりわけ心細く感じられた。
    いくつかの不安の中で、言葉の違いが特に強く感じられたことを表しています。

とりわけと「特に」の違い

「とりわけ」と最も混同されやすい言葉は「特に」です。どちらも「ほかと比べて目立つ」という意味を持ちますが、使える場面の広さと文体に違いがあります。

項目 とりわけ 特に
基本の意味 複数の中から際立つものを取り上げる 普通より目立つことを広く表す
比較の意識 「多くの中で」という意識が強い 比較が明確でなくても使える
文体 やや改まった、文章向きの印象 会話でも文章でも使いやすい
例 この地域では、とりわけ冬の寒さが厳しい。 今日は特に寒い。

迷ったときは、日常会話では「特に」、文章で「いくつかある中でも」と強調したいときは「とりわけ」を選ぶと自然です。

とりわけの類語・言い換え表現

「とりわけ」は、文脈によっていくつかの言葉に言い換えられます。ただし、類語ごとに文体やニュアンスが少しずつ違います。

類語 意味・ニュアンス 言い換え例
特に 最も一般的で、会話にも文章にも使いやすい言葉です。 とりわけ重要だ → 特に重要だ
中でも 複数の中から一つを選んで示す意味がはっきりしています。 とりわけ人気がある → 中でも人気がある
ことに 「特に」に近く、やや文章的です。感情や状態を強調する文にも合います。 とりわけ寒い → ことに寒い
ひときわ 見た目・音・印象などが周囲よりはっきり目立つ様子を表します。 とりわけ目立つ → ひときわ目立つ
格別に 普通とは違って程度が高い、特別であるという意味が強くなります。 とりわけおいしい → 格別においしい
なかんずく 「中でも特に」という意味の硬い表現です。日常会話ではあまり使われません。 とりわけ重要なのは → なかんずく重要なのは

とりわけの対義語・反対に近い言葉

「とりわけ」には、はっきり一語で対応する対義語はありません。反対に近い意味を表すなら、「一様に」「全般的に」「どれも同じ程度に」「特に差はなく」などが使えます。

たとえば「とりわけ目立つ点はない」と言えば、「ほかと比べて特に目立つ点はない」という意味になります。この場合、「とりわけ」は否定と組み合わさって、「特別に」という意味を弱める働きをします。

とりわけを使うときの注意点

「とりわけ」は便利な強調表現ですが、使い方によっては不自然に感じられることがあります。次の点に注意すると、意味が伝わりやすくなります。

  • 比較する対象を意識する
    「とりわけ」は、ほかのものと比べて際立つことを表します。「何の中で特にそうなのか」が文からわかるようにすると自然です。
  • 「とても」と混同しない
    「とりわけ暑い」は「ほかの日や時期と比べて特に暑い」という意味です。単に程度を強めたいだけなら「とても暑い」「非常に暑い」のほうが合う場合があります。
  • 話し言葉では少し改まって聞こえる
    日常会話で使っても間違いではありませんが、くだけた会話では「特に」「中でも」のほうが自然なことがあります。
  • 強調表現を重ねすぎない
    「中でもとりわけ最も重要」のように強調語を重ねると、くどい印象になることがあります。「とりわけ重要」「最も重要」など、文に合う形に整理するとよいでしょう。
  • 漢字表記は文脈で使い分ける
    副詞の意味では「とりわけ」が読みやすく、料理などを分ける意味では「取り分け」が自然です。同じ音でも、文脈によって受け取られ方が変わります。

まとめ

「とりわけ」は、複数の物事の中から、特に目立つものや重要なものを取り上げて強調する言葉です。「特に」「中でも」と近い意味ですが、「多くの中で際立つ」という比較の意識がやや強く、文章では落ち着いた印象を与えます。

現代の副詞としては、ひらがなの「とりわけ」が一般的です。「取り分け」と書くこともありますが、料理を分ける意味の「取り分け」と区別したい場合は、ひらがなで書くと読みやすくなります。

使うときは、何と比べて特にそうなのかを明確にすると自然です。会話では「特に」、文章で少し改まって強調したいときは「とりわけ」と使い分けるとよいでしょう。

関連語

「とりわけ」と関係の深い言葉には、次のようなものがあります。

  • 特に
  • 中でも
  • ことに
  • ひときわ
  • 格別に
  • なかんずく
  • 強調
  • 比較
  • 目立つ
  • 取り分け

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