卑しいの意味とは?使い方・例文・類語との違いをわかりやすく解説

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卑しいの意味

「卑しい(いやしい)」とは「品位や節度に欠けていて、欲深く見えたり、見下げた印象を与えたりするさま」のことです。

現代では、特に「お金や食べ物、利益などに対してがつがつしている」「自分の得だけを考えていて見苦しい」といった意味で使われます。たとえば、少しでも得をしようとして他人の分まで取ろうとする態度は、「卑しい態度」と表現できます。

また、古い用法として「身分が低い」「貧しくみすぼらしい」という意味もあります。ただし、現代の日常会話で人の出自や境遇に対して使うと、強い差別的・侮辱的な響きになりやすいため注意が必要です。

卑しいの読み方

「卑しい」は「いやしい」と読みます。

送り仮名を付けた形では「卑しい」、名詞形では「卑しさ」、動詞形では「卑しむ」「卑しめる」などがあります。「卑」は「低い」「いやしい」「尊くない」といった意味を持つ漢字で、熟語では「卑屈」「卑怯」「卑俗」などにも使われます。

ただし、「卑しい」は単に「低い」という意味ではなく、現在では多くの場合、性格・態度・欲望のあり方に対する否定的な評価を表します。

卑しいをわかりやすく言うと

「卑しい」をわかりやすく言うと、「欲が深くて見苦しい」「品がない」「心や態度がさもしい」という意味です。

たとえば、食べ物を必要以上に取りたがる、人の失敗につけ込んで得をしようとする、お金のために節度を失う、といった場面で使われます。単に「ほしいと思う」だけではなく、その欲が表情や行動に出て、周囲から見て見苦しい印象を与える場合に使う言葉です。

言い換えるなら、日常的には次のように説明できます。

  • 食べ物に卑しい:食べ物への欲が強く、がつがつして見える
  • 金に卑しい:お金への執着が強く、損得ばかり考えている
  • 心が卑しい:人としての品位や思いやりに欠けている
  • 卑しい考え:自分だけ得をしようとする、浅ましい考え

卑しいの使い方

「卑しい」は、主に人の態度・欲望・考え方を批判的に表すときに使います。かなり強いマイナス評価を含むため、軽い冗談のつもりでも相手を傷つけることがあります。

よく使われる形には、「卑しい人」「卑しい態度」「卑しい考え」「卑しい根性」「金に卑しい」「食べ物に卑しい」「口が卑しい」などがあります。

日常会話での使い方

日常会話では、「あの人は金に卑しい」「そんな卑しいまねはしたくない」のように、相手の行動を強く非難するときに使われます。ただし、直接本人に向けて言うとかなりきつい表現になります。

文章で使うときのニュアンス

文章では、単に「欲深い」と書くよりも、人としての品位や節度のなさを強く感じさせます。小説や評論などでは、「卑しい笑み」「卑しい欲望」「卑しい心」といった形で、人物の内面や雰囲気を描写することがあります。

一方で、古い表現としての「卑しい身分」「卑しい生まれ」は、現代では差別的な印象を与えやすい表現です。歴史的な文脈や作品内の人物の価値観を示す場合を除き、安易に使わないほうがよいでしょう。

卑しいを使った例文

  • 彼は無料でもらえると聞くと、必要のない物まで持ち帰ろうとして、卑しい印象を与えた。
    得をしたい気持ちが行動に出て、見苦しく見える場面です。
  • 食べ物に卑しいと言われないように、取り分けるときは周りの分も考えた。
    食べ物への欲が強く見えないよう、節度を意識している使い方です。
  • 人の弱みにつけ込んで利益を得ようとするのは、卑しい考えだ。
    利益への欲だけでなく、人としての品位を欠く考え方を批判しています。
  • 彼女は自分の失敗を隠すために同僚を悪者にするような、卑しいまねはしなかった。
    卑しいまねは、品位に欠ける行動や見下げた行為を指します。
  • その男は卑しい笑みを浮かべながら、相手の困った顔を眺めていた。
    人物の性格や内面のいやらしさを描写する文章表現です。
  • 金に卑しい人だと思われたくなくて、彼は報酬の話を切り出すタイミングに気を配った。
    お金に執着しているように見えることを避けたい場面です。
  • 小さな得のために友人を裏切るなんて、心が卑しいと言われても仕方がない。
    欲や損得を優先し、信頼や思いやりを軽んじる態度を表しています。

卑しいと浅ましいの違い

「卑しい」と混同されやすい言葉に「浅ましい」があります。どちらも人の態度や欲を否定的に表しますが、中心となるニュアンスが少し違います。

「卑しい」は、品位や節度を欠き、欲深く見えることに重点があります。一方、「浅ましい」は、見ていて情けないほど見苦しい、あきれるほど下劣だという印象を強く表します。

言葉 中心となる意味 使う場面の例
卑しい 欲深く、品位や節度に欠けている 金に卑しい、食べ物に卑しい、卑しい考え
浅ましい 見ていて情けないほど見苦しい、あきれるほど下劣である 浅ましい争い、浅ましい欲望、浅ましい姿

たとえば、食べ物を独り占めしようとする人には「卑しい」が合います。さらに、その姿が見ていて情けない、あきれるほど見苦しいと感じる場合は「浅ましい」が合います。

卑しいの類語・言い換え表現

「卑しい」は強い言葉なので、文脈によっては別の表現に言い換えたほうが自然です。特に、相手を直接批判する場面では、少しやわらかい言い方を選ぶと角が立ちにくくなります。

表現 意味・ニュアンス
欲深い 欲が強いこと。卑しいよりも直接的で、品位の評価はやや弱い。
がめつい 金銭や利益に対して抜け目なく、しつこく得をしようとする様子。くだけた表現。
さもしい 心が貧しく、品性に欠けている様子。内面の貧しさを強く表す。
下品 言動や見た目に品がないこと。欲深さに限らず、話し方や態度にも使う。
下劣 人としての品性が低く、非常にいやな感じがすること。硬く強い表現。
意地汚い 食べ物や物への欲が強く、見苦しい様子。日常会話で使われやすい。

「卑しい」の反対に近い言葉としては、「上品」「気高い」「高潔」「品位がある」などがあります。ただし、文脈によって反対の意味が変わるため、完全に一語で対応する対義語があるとは言い切れません。

英語で近い表現を選ぶなら、欲深さを表す場合は「greedy」、品位のなさを表す場合は「vulgar」や「base」が候補になります。ただし、日本語の「卑しい」が持つ侮蔑的な響きまで一語で完全に表せるとは限らないため、文脈に合わせて選ぶ必要があります。

卑しいを使うときの注意点

「卑しい」は、人を強く見下す響きを持つ言葉です。本人に向けて「あなたは卑しい」と言うと、単なる注意ではなく人格への非難として受け取られやすくなります。

特に注意したいのは、「生まれが卑しい」「身分が卑しい」のような表現です。これは古い身分意識に基づく言い方であり、現代では差別的・侮辱的に響きます。歴史的な説明や創作上の人物描写など、意図が明確な場合を除き、避けるのが無難です。

また、「食べ物に卑しい」「口が卑しい」は日常で見聞きする表現ですが、相手の食べ方や家庭環境まで否定するように聞こえることがあります。軽く言いたい場合は、「食いしん坊」「食べるのが好き」「少し欲張り」などに言い換えるとやわらかくなります。

文章で使う場合は、批判の対象をはっきりさせることも大切です。「卑しい」とだけ書くと、何がどう卑しいのかが曖昧になります。「金に卑しい」「他人の不幸を利用する卑しい考え」のように、理由や対象を添えると意味が伝わりやすくなります。

まとめ

「卑しい(いやしい)」は、品位や節度に欠け、欲深く見苦しい印象を与えるさまを表す言葉です。現代では「金に卑しい」「食べ物に卑しい」「卑しい考え」のように、欲や損得に関する態度を批判するときによく使われます。

似た言葉の「浅ましい」は、見ていて情けないほど見苦しいという印象が強い表現です。「欲深く品がない」ことに焦点を当てるなら「卑しい」、「あきれるほど見苦しい」ことを強めたいなら「浅ましい」が合います。

ただし、「卑しい」はかなり強い否定語です。人の出自や境遇に対して使うと差別的に響くことがあるため、使う場面や相手には十分な配慮が必要です。

関連語

  • 浅ましい
  • 欲深い
  • がめつい
  • さもしい
  • 下品
  • 下劣
  • 意地汚い
  • 卑屈
  • 卑怯
  • 高潔

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