所謂の意味とは?使い方・例文・類語との違いをわかりやすく解説

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所謂の意味

「所謂(いわゆる)」とは「世間で一般にそう呼ばれている、俗に言う」を意味する言葉です。

主に「所謂〇〇」の形で使い、あとに続く名詞について「厳密な正式名称ではないが、多くの人がそう理解する呼び方で言えば」という意味合いを加えます。たとえば「所謂ブラック企業」は、「一般にブラック企業と呼ばれるような会社」という意味です。

日常では漢字よりも「いわゆる」とひらがなで書かれることが多く、漢字表記の「所謂」は文章語的で、やや硬い印象を与えます。

所謂の読み方

「所謂」は「いわゆる」と読みます。「しょい」「しょかつ」などとは読みません。

「所」は「〜するところ」、「謂」は「言う・呼ぶ」という意味を持つ漢字です。「所謂」は、漢字二字を音読みするというより、語全体で「いわゆる」と読む表記として覚えるとよいでしょう。

現代の文章では、読みやすさを優先して「いわゆる」とひらがなで書くことが一般的です。辞書的・文語的な印象を出したい場合や、硬めの文章では「所謂」と書かれることがあります。

所謂をわかりやすく言うと

「所謂」をわかりやすく言うと、「みんながよく言うところの」「一般にそう呼ばれる」「俗に言う」という意味です。

正式な分類名というより、世間で通じやすい呼び名を示すときに使います。相手に「ああ、あの種類のものだな」と思い浮かべてもらうための言葉です。

言い換え ニュアンス
俗に言う 世間でくだけてそう呼ばれている 俗に言う朝活
一般に言う 多くの人がそう理解する 一般に言う中小企業
世に言う 広く知られた呼び名で言えば 世に言う名店

所謂の使い方

「所謂」は、名詞や名詞句の前に置いて使います。「所謂天才」「所謂ベッドタウン」「所謂たたき台」のように、あとに続く言葉を説明する働きをします。

会話でも使えますが、漢字で書くと少し硬く見えます。ふだんのメールや説明文では「いわゆる」と書いたほうが自然な場合が多いです。一方、評論文・解説文・硬めのコラムなどでは「所謂」と書くことで、やや改まった印象になります。

また、「所謂」には、単に説明するだけでなく「そう呼ばれているが、少し距離を置いて見ている」という含みが出ることもあります。たとえば「所謂エリート」と書くと、ただの「エリート」よりも、世間がそう呼んでいることを示す感じが強くなります。

よく使われる形

  • 所謂〇〇:もっとも基本的な形です。「所謂名作」「所謂成功者」のように使います。
  • 所謂「〇〇」:特定の呼び名をはっきり示したいときに使います。「所謂『推し活』」のような形です。
  • 所謂ところの〇〇:意味は通じますが、やや古めかしく、回りくどい印象があります。現代文では使いすぎないほうが自然です。

所謂を使った例文

  • 彼は所謂努力型の選手で、派手さはないが毎日の練習を欠かさない。
    「努力型」と一般に呼ばれるタイプであることを示しています。
  • この地域は、所謂ベッドタウンとして発展してきた。
    都市に通勤する人が多く住む地域を、一般的な呼び名で説明しています。
  • 会議では、所謂たたき台として簡単な企画案を提出した。
    完成版ではなく、議論の出発点となる案であることを表しています。
  • 彼女の小説は、所謂純文学とは少し違い、会話のテンポが軽い。
    よくある分類名を示しつつ、その分類とは少し異なることを説明しています。
  • この商品は、所謂ごほうびスイーツとして若い世代に人気がある。
    日常的な言い方を使い、商品のイメージをわかりやすく伝えています。
  • その発言は、所謂炎上を招きやすい内容だった。
    ネット上で批判が集まる状態を、広く通じる呼び名で表しています。
  • 彼は所謂理系男子だが、文章を書くことも得意だ。
    一般的な人物像を示しながら、それだけでは説明しきれない面もあることを伝えています。
  • その店は、所謂映えるメニューで観光客の注目を集めている。
    写真映えする料理という近年の言い方を取り入れ、特徴を端的に表しています。

所謂と「いわば」の違い

「所謂」と混同されやすい言葉に「いわば」があります。どちらも説明をわかりやすくする言葉ですが、中心となる働きが異なります。

「所謂」は「一般にそう呼ばれている」という意味です。一方、「いわば」は「たとえて言えば」という意味で、話し手が比喩的に説明するときに使います。

言葉 意味の中心 使い方の例
所謂 世間で一般にそう呼ばれる 彼は所謂リーダータイプだ。
いわば たとえて言えば 彼はチームのいわば舵取り役だ。

「所謂リーダー」は、一般にリーダーと呼ばれるような人を指します。「いわば舵取り役」は、本当に船を動かす人ではなく、チームの方向を決める役割を比喩で表しています。

所謂の類語・言い換え表現

「所謂」は、文脈によっていくつかの言葉に言い換えられます。ただし、言い換えると硬さや距離感が少し変わるため、文章の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。

類語・言い換え 意味・ニュアンス
俗に言う 正式名称ではなく、世間でくだけて使われる呼び名を示します。「所謂」にかなり近い表現です。
世に言う 広く知られている呼び方を示します。やや文章語的で、歴史的・社会的な話題にも合います。
一般に言う 多くの人がそう理解する、という中立的な説明に向きます。硬すぎず、説明文で使いやすい表現です。
通称 正式名称とは別に、一般に通っている名前を指します。「所謂」よりも名詞としての性格が強い言葉です。
つまり 前の内容を要約したり、別の言い方でまとめたりするときに使います。「一般にそう呼ばれる」という意味は弱いです。
いわば たとえを使って説明する表現です。「所謂」と違い、世間での呼び名とは限りません。

対義語や反対に近い表現

「所謂」には、はっきりした対義語はありません。ただし、文脈によっては「正式には」「厳密には」「正確には」などが反対方向の意味を表します。

たとえば「所謂ブラック企業」は一般的な呼び名を示しますが、「正式には労働環境に問題が指摘される企業」のように言うと、より説明的で慎重な表現になります。

英語で表す場合

英語では「so-called」が近い表現です。ただし「so-called」は、中立的に「いわゆる」と訳せる場合もあれば、「いわゆる〜と称する」のように疑いや皮肉を含む場合もあります。より中立的に言いたいときは「what is commonly called」や「commonly known as」が使われることもあります。

所謂を使うときの注意点

「所謂」は便利な言葉ですが、使い方によっては文章があいまいになったり、皮肉っぽく見えたりすることがあります。

  • 後ろには名詞や名詞句を置く
    「所謂有名だ」のように形容詞だけを続けると不自然です。「所謂有名店」「所謂有名人」のように名詞を続けるのが自然です。
  • 漢字表記は硬く見えやすい
    一般向けの文章では「いわゆる」とひらがなで書くほうが読みやすいことが多いです。「所謂」は硬めの文体に合います。
  • 使いすぎると説明がぼやける
    「所謂便利なもの」「所謂よい感じ」のように多用すると、何を指しているのか曖昧になります。必要に応じて具体的に説明することが大切です。
  • 軽い皮肉や距離感が出ることがある
    「所謂成功者」「所謂専門家」のように書くと、単なる説明ではなく「そう呼ばれているが、こちらは少し距離を置いている」という印象になる場合があります。
  • 正式な判断の代わりにはしない
    「所謂」は一般的な呼び名を示す言葉です。専門的・法的・医学的な分類などでは、通称だけで断定せず、必要に応じて正式名称や根拠を確認する表現が適しています。

まとめ

「所謂(いわゆる)」は、「世間で一般にそう呼ばれている」「俗に言う」という意味の言葉です。主に「所謂〇〇」の形で使い、あとに続く名詞をわかりやすい呼び名や一般的な分類で示します。

日常的には「いわゆる」とひらがなで書くことが多く、「所謂」と漢字で書くと硬めの文章語になります。「いわば」は「たとえて言えば」という意味であり、「一般にそう呼ばれる」という意味の「所謂」とは使い方が異なります。

文章で使うときは、後ろに名詞を続けること、使いすぎて意味を曖昧にしないこと、場合によっては皮肉や距離感が出ることに注意するとよいでしょう。

関連語

  • いわば
  • 俗に言う
  • 世に言う
  • 一般に言う
  • 通称
  • 呼称
  • 別名
  • つまり

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