意向の意味とは?使い方・例文・類語との違いをわかりやすく解説

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意向の意味

「意向(いこう)」とは「物事について、本人や組織がどうしたいと考えているかという考え・希望・方針」のことです。

単なる気分や一時的な思いつきではなく、ある程度はっきりした「今後こうしたい」「このように進めたい」という考えを表すときに使います。たとえば「本人の意向を確認する」は、本人がどうしたいと考えているのかを確かめる、という意味です。

日常会話でも使えますが、特にビジネス、行政、学校、医療・福祉、契約や手続きなど、相手の希望や方針を丁寧に扱う場面でよく使われます。「ご意向」の形にすると、相手の考えや希望を敬って表す言い方になります。

意向の読み方

「意向」は「いこう」と読みます。

「意」は、考え・気持ち・思いなどを表す漢字です。「向」は、向かう方向や向き合う先を表します。二つを合わせた「意向」は、心や考えがどちらへ向いているか、つまり「どうしたいと思っているか」という意味になります。

同じ読みの語に「移行」や「以降」がありますが、意味は異なります。「移行」は別の状態へ移ること、「以降」はある時点からあとを表します。文章で使うときは漢字の違いに注意が必要です。

意向をわかりやすく言うと

「意向」をわかりやすく言うと、「どうしたいか」「どのように考えているか」「今後の希望や考え」です。

たとえば、会社が新しい制度を導入したいと考えている場合は「会社の意向」と言えます。利用者がサービスを続けたいかやめたいかを確かめる場合は「利用者の意向を確認する」と言えます。

ただし、「好き」「嫌い」のような感情そのものよりも、何かを選んだり決めたりする場面での考えを指すことが多い言葉です。そのため、「本人の意向を尊重する」は、本人が選びたい方向や希望を大切にする、という意味になります。

意向の使い方

「意向」は、相手や組織の考えを丁寧に確認したり、文書で客観的に示したりするときに使われます。やや改まった響きがあるため、くだけた会話よりも、仕事上の連絡、案内文、報告書、面談、アンケートなどで自然に使われます。

よく使われる形

「意向」は、次のような組み合わせでよく使われます。

  • 意向を確認する:相手がどうしたいのかを確かめる。
  • 意向を示す:自分や組織の考え・方針を表明する。
  • 意向を伝える:考えや希望を相手に知らせる。
  • 意向を尊重する:相手の考えや希望を大切にして扱う。
  • ご意向を伺う:相手の考えや希望を丁寧に聞く。
  • 意向調査:希望や考えを調べるための調査。

文章で使うときのニュアンス

文章で「意向」を使うと、相手の考えを直接的に決めつけず、丁寧に扱う印象になります。「希望」より少し広く、「方針」よりはやわらかい表現です。

たとえば「退職の意向を示した」は、「退職したいという考えを表した」という意味です。「退職を決定した」とは限らず、最終決定の前段階を表すこともあります。このように、意向は「決定済み」よりも「そう考えている」「その方向で考えている」という含みを持つ場合があります。

意向を使った例文

  • 本人の意向を確認したうえで、今後の予定を決めることにした。
    本人がどうしたいと考えているかを確かめてから判断する、という使い方です。
  • 会社は新しい事業に参入する意向を示した。
    組織が今後その方向へ進みたい考えを表明したことを表します。
  • ご家族のご意向を伺いながら、対応方法を検討します。
    相手の希望や考えを丁寧に聞く場面で、「ご意向」が使われています。
  • 彼女は海外勤務を希望する意向を上司に伝えた。
    自分の希望する方向を、相手に知らせたという意味です。
  • 参加者の意向を調べるため、事前にアンケートを実施した。
    複数の人がどう考えているかを調査する場面で使えます。
  • 相手側の意向がまだ分からないため、正式な返事は保留にしている。
    相手の考えや方針が不明なので判断を待っている、という状況を表します。
  • 本人の意向に反して、周囲だけで話を進めるのは望ましくない。
    本人の考えや希望と違う方向で物事を進めることへの注意を表しています。
  • 市は住民の意向を踏まえて、公園の整備計画を見直した。
    住民の考えや希望を判断材料にした、という公的な文章にも合う使い方です。

意向と意思の違い

「意向」と最も混同されやすい言葉に「意思」があります。どちらも人の考えに関係しますが、中心になる意味が少し違います。

「意向」は、物事について「どうしたいか」「どの方向を望んでいるか」という考えや希望を表します。一方、「意思」は、自分でそうしようと決める心の働きや判断を表します。「意思」のほうが、本人の決断や主体性が強く出る言葉です。

言葉 中心の意味 ニュアンス
意向 どうしたいかという考え・希望・方針 相手や組織の希望を丁寧に扱う表現 本人の意向を確認する
意思 自分で決めて行動しようとする心 決断・主体性・覚悟が強い 強い意思を持つ

たとえば「本人の意向を尊重する」は、本人が望む方向を大切にするという意味です。「本人の意思を尊重する」と言うと、本人が自分で決める力や判断を尊重する意味が強くなります。どちらも使える場面はありますが、希望や方針を確認する文脈では「意向」が自然です。

意向の類語・言い換え表現

「意向」は、文脈によって「考え」「希望」「方針」「意図」などに言い換えられます。ただし、それぞれ少しずつ意味の範囲や響きが異なります。

類語・言い換え 意味・ニュアンス 使い分けの例
考え 最も広く、日常的な言い方。 あなたの考えを聞かせてください。
希望 そうなってほしい、そうしたいという望み。 勤務先の希望を提出する。
方針 今後の進め方や基本的な方向性。組織に使いやすい。 会社の方針を説明する。
意図 何かをする目的やねらい。 発言の意図を確認する。
意志 物事をやり抜こうとする心の強さ。「意思」より精神的な強さを表しやすい。 固い意志を持って取り組む。

「意向」は、これらの中では「希望」と「方針」の中間に近い言葉です。個人にも組織にも使え、相手の考えを丁寧に扱う場面に向いています。

はっきりした対義語はありません。反対に近い表現としては、「反対の意向」「拒否の意向」「不同意」などがあります。ただし、文脈によって自然な言い方は変わります。

意向を使うときの注意点

「意向」は便利な言葉ですが、使い方によっては不自然になったり、意味があいまいになったりすることがあります。

「決定」とは限らない

「意向」は、考えや希望を表す言葉であり、必ずしも正式な決定を意味しません。「参加する意向を示した」は、参加する考えを示したという意味で、手続きが完了したことまでは表しません。決定済みであることを明確にしたい場合は、「参加を決定した」「正式に参加することになった」などと書くほうが正確です。

自分に使うと少し改まった印象になる

「私の意向としては」と言うこともできますが、日常会話ではやや硬く聞こえる場合があります。普段の会話なら「私はこうしたいです」「私の希望は」と言ったほうが自然です。一方、ビジネス文書や面談記録では「本人の意向」「当社の意向」のように使うと、落ち着いた文章になります。

相手には「ご意向」を使うと丁寧

相手の考えや希望を尋ねるときは、「意向を聞かせてください」よりも「ご意向をお聞かせください」「ご意向を伺えますでしょうか」のほうが丁寧です。ただし、必要以上にかしこまると堅苦しくなるため、相手との関係や場面に合わせて使い分けます。

「意向」と「意図」を混同しない

「意向」は、今後どうしたいかという考えや希望です。「意図」は、何かをした目的やねらいです。たとえば「発言の意図」は、その発言をした目的を指しますが、「発言の意向」は通常あまり自然ではありません。何を聞きたいのかが「希望」なのか「目的」なのかを考えると使い分けやすくなります。

まとめ

「意向(いこう)」は、本人や組織が物事についてどうしたいと考えているかを表す言葉です。「本人の意向を確認する」「会社が意向を示す」「ご意向を伺う」のように、希望や方針を丁寧に扱う場面でよく使われます。

「意思」は自分で決める心や判断を表し、「意向」は希望や方向性を表す点が違います。また、「意図」は目的やねらい、「方針」は進め方の基本的な方向性を表します。

文章で使うと改まった印象になり、ビジネスや公的な文書にも合います。ただし、意向は必ずしも正式決定を意味しないため、決定済みかどうかを明確にしたい場合は別の表現を添えると正確です。

関連語

  • 意思
  • 意志
  • 意図
  • 希望
  • 方針
  • 考え
  • 要望
  • 意向調査
  • ご意向

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