スポンサーリンク
目次
既存の意味
「既存(きそん)」とは「新しく作られたものではなく、すでに存在している状態や対象」のことです。
簡単に言えば、「前からあるもの」「今すでにあるもの」を表す言葉です。たとえば「既存の資料」といえば、新しく作る資料ではなく、すでに手元や社内にある資料を指します。
「既存」は、あるものを新しく追加するものと区別するときによく使われます。「既存の制度」「既存の顧客」「既存システム」のように、仕事や文章の中で使われることが多い表現です。
既存の読み方
既存は、一般に「きそん」と読みます。
会話では「きぞん」と読まれることもありますが、辞書的な読み方や改まった文章では「きそん」を基本にすると無難です。読みをそろえる必要がある場面では、所属先の用字用語の決まりに従うとよいでしょう。
漢字の意味を見ると、「既」は「すでに」、「存」は「ある・存在する」を表します。二つを合わせて、「すでに存在している」という意味になります。
既存をわかりやすく言うと
既存をわかりやすく言い換えると、「前からある」「今すでにある」「新しく用意したものではない」となります。
- 既存の資料:すでにある資料
- 既存の顧客:すでに取引や関係のある顧客
- 既存システム:すでに使われているシステム
- 既存のルール:すでに決まっているルール
大切なのは、「既存」そのものには「古い」「時代遅れ」「悪い」という意味はないことです。単に「新しく作ったものではなく、すでにある」という事実を表します。ただし、「既存の枠組みにとらわれない」のように使うと、文脈によっては「従来の考え方」や「これまでの制約」といった含みを持つことがあります。
既存の使い方
既存は、日常会話でも使えますが、どちらかといえば仕事の文章、企画書、説明文、報告書、行政文書などでよく使われる、やや改まった言葉です。
「既存の〜」の形で使う
もっとも自然で多い使い方は、「既存の名詞」という形です。「既存の制度」「既存の設備」「既存の顧客」のように、すでにある対象を説明します。
「新規」と対比して使う
既存は、「新規」と対比して使われることが多い言葉です。たとえば「既存顧客」と「新規顧客」では、前者はすでに関係のある顧客、後者は新しく獲得する顧客を指します。
文章で使うときのニュアンス
文章で「既存」を使うと、客観的で整理された印象になります。「今あるものを活用する」「新しく作るものと区別する」「変更前の状態を示す」といった場面に向いています。
- 既存の仕組みを活用する
- 既存設備を更新する
- 既存の契約内容を確認する
- 既存店の売上を比較する
- 既存の考え方を見直す
既存を使った例文
- 既存の資料を確認してから、新しい報告書を作成した。
新しく作る前に、すでにある資料を利用する場面です。 - このアプリは、既存の機能を残したまま画面デザインを変更する予定です。
すでに備わっている機能を維持するという意味で使われています。 - 新規顧客だけでなく、既存の顧客への案内も忘れないようにしましょう。
「既存の顧客」は、すでに取引や関係のある顧客を指します。 - 既存の建物を活用して、地域の交流スペースを作る計画が進んでいる。
新しく建てるのではなく、すでにある建物を使うという意味です。 - その提案は、既存の枠組みにとらわれない点が評価された。
ここでは、これまでの考え方や仕組みを「既存」と表しています。 - 既存の商品と比べると、新モデルは軽くて持ち運びやすい。
新しい商品と、すでに販売されている商品を比較する使い方です。 - まずは既存のルールを確認し、必要があれば見直しを提案する。
すでに決まっているルールを前提にして話を進める場面です。 - 部屋の色は、既存の家具に合うように落ち着いたものを選んだ。
日常的な場面でも、すでに持っている家具を指して使えます。
既存と「現存」の違い
既存に似た言葉として「現存」があります。どちらも「存在している」ことに関係しますが、注目する点が異なります。
| 言葉 | 意味の中心 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| 既存 | 新しく作ったものではなく、すでにあること | 新規のものと区別するとき | 既存システム、既存顧客 |
| 現存 | 失われず、今も存在していること | 建物・資料・作品などが現在も残っていることを示すとき | 現存する最古の寺、現存資料 |
「既存システム」は、新しく作るシステムに対して「すでに使われているシステム」という意味です。一方、「現存する建物」は、過去から現在まで失われずに残っている建物という意味です。新規との対比なら「既存」、今も残っていることを強調するなら「現存」が自然です。
既存の類語・言い換え表現
既存は、文脈によっていくつかの言葉に言い換えられます。ただし、完全に同じ意味ではないため、何を強調したいかで選ぶことが大切です。
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 前からある | 日常的でやわらかい言い換え | 前からある道具を使う |
| すでにある | 意味が近く、説明文でも使いやすい | すでにある資料を確認する |
| 既設 | 設備や施設がすでに設けられていること | 既設の配管、既設設備 |
| 従来 | これまで行われてきた方法や状態を表す | 従来の方法を見直す |
| 現行 | 現在、効力を持って行われていること | 現行制度、現行ルール |
| 既成 | すでにできあがっていること。固定化した考え方にも使う | 既成概念、既成の事実 |
反対に近い言葉には、「新規」「新設」「新築」「新たな」などがあります。顧客なら「新規顧客」、設備なら「新設設備」、建物なら「新築」のように、対象に合わせて選びます。
英語では、多くの場合 existing が近い表現です。「既存のシステム」は existing system、「既存の顧客」は existing customer と表せます。ただし、「現在有効な」という意味を強めたい場合は current が合うこともあります。
既存を使うときの注意点
既存は便利な言葉ですが、意味を広げすぎると不自然になることがあります。特に次の点に注意すると、文章がわかりやすくなります。
- 「古い」「悪い」という意味ではない
既存は、すでにあることを表すだけの中立的な言葉です。「既存の商品」だからといって、必ず古い商品や劣った商品を意味するわけではありません。 - 人そのものには使いにくい
「既存の人」は不自然になりやすい表現です。「既存の会員」「既存の利用者」「既存顧客」のように、区分を示す名詞と組み合わせると自然です。 - 「既存する」は硬く、使いどころを選ぶ
「既存する制度」のような形も見られますが、一般的な文章では「既存の制度」や「すでに存在する制度」のほうが読みやすい場合が多くあります。 - 何に対して「すでに」あるのかを明確にする
既存は相対的な言葉です。新しい計画に対してすでにあるのか、現在の時点ですでにあるのかが曖昧な場合は、「プロジェクト開始前からある資料」のように補うと伝わりやすくなります。 - 「現存」と置き換えられない場合がある
「既存顧客」を「現存顧客」とは普通言いません。「新規ではない」と言いたいのか、「今も残っている」と言いたいのかで言葉を選ぶ必要があります。
まとめ
既存は、「新しく作られたものではなく、すでに存在している状態や対象」を表す言葉です。読み方は基本的に「きそん」です。
「既存の資料」「既存システム」「既存顧客」のように、仕事や文章で新規のものと区別するときによく使われます。意味は中立的で、それ自体に「古い」「悪い」という評価は含まれません。
似た言葉の「現存」は、失われずに今も残っていることを強調します。「既存」は新規との対比、「現存」は現在も残っていること、という違いを押さえると使い分けやすくなります。
関連語
- 新規
- 現存
- 既設
- 従来
- 現行
- 既成
- 既製
- 既存顧客
- 既存店
- 既存システム
スポンサーリンク